オススメ:読了本:須賀しのぶ「神の棘 1,2」
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うまく言葉にできないけど、もうなんかどっち向いてもやるせない感じで。どんどん不穏な流れになっていく前半も息苦しいけど、終戦後の「逆転」した世界も読んでて辛かったなあ。
流れというのは、本当に怖い。ネットで急激に増水した川の映像をみたことがありますが、あれ?と気がついていくばくもたたないうちにもう身動きとれなくなってしまった…というような、あの光景を思い出しました。アルベルトのやったことは擁護できないわけですが、でもSSに入ったきっかけが、就職難の時代に待遇のいい職場だったから…というささやかな理由だったことを思い出して悲しくなってしまうのです。
須賀さんがエッセイで、「流血女神伝」とこの話が表裏をなすものだったと書いていましたが、改めて圧倒的な運命の流れに逆らったカリエのたくましさを思い出したり。