読了本:赤坂真理「モテたい理由 男の受難・女の業」

モテたい理由 (講談社現代新書)

モテたい理由 (講談社現代新書)

ネット書評を読んで興味持ったので購入。女性ファッション雑誌を長年ウォッチしていた作者が読み解いた、メディアが女性の「欲望」をあおり、エスカレートさせ、やがて浮世離れした「ファンタジー」となり、いつの間にか脅迫観念化していく過程の話や、作者の実体験から導きだされた男女論の話。全部に「納得」とはいかなかったけど、勢いがあっておもしろかったです。
女性ファッション雑誌の「一ヶ月着まわしコーディネイト」についてくる「ミニドラマ」って、私は読み飛ばしてましたが、あれが読者の夢の肝なんですね。確かに手元にある「Domani 2月号」を確認したら、115ページに書いてある特徴が全部入ってましたよ。ちなみに間男は上司と後輩という二本立てでした。それでも「Domani」は仕事にウェイトを置いた雑誌だから、間男にはちょっとときめいたくらいで、ラブ度は薄めですが。
ただ、「はらわたで理解する」という言葉が何度もでてきましたが、著者が「はらわたで理解」してても、それを読者に「言葉」に分解して伝える過程ではまだ完全にこなれてないように思いました。ひしひしと伝わってくるものはあるんだけど、もうひとつ頭での理解に結びつかないような感じが。