ザンキ本感想

またしても「久々の更新」になっちゃいました…

ZANKI 斬鬼(仮面ライダー響鬼 キャラクターブック外伝)

ZANKI 斬鬼(仮面ライダー響鬼 キャラクターブック外伝)

全体的な印象

  • 松田賢二ファンならまず買い。っていうか、もう買ってるだろうけど…
  • ザンキファンであれば、買って損はないと思います。
  • 川口真五ファンも買いでしょう。インタビュー1ページありました。番組スチールもたくさん掲載されています。またトドロキ・川口くんへの言及も多いです。
  • 村田充ファンも、インタビュー(1ページ)がなかなか興味深いので、買って損はないかと思います。
  • 細川さん・渋江さんはご本人のインタビューはないものの、松田さんからみた「役者としての」二人についての話や、お二人とのシーンでの、アドリブシーン・カットされたシーンについての言及が多いです。
  • スタッフのインタビューがとにかくおもしろかったです。基本的にはザンキさんに関する言及ですが、「ザンキさんへの愛」というよりは、(松田さんも含めて)「響鬼」という作品に対する愛を強く感じました。 松田さんのインタビューも含めて、「初期の台本では○○となっていたのを〜」みたいな話や、カットされたシーンについての言及が多いです。脚本を監督がどのように膨らましていくか、そういう過程もわかりますので、「番組裏話」が好きな「響鬼」ファンにはオススメです。
  • ムックの企画が出てきたときに、一部で物議を醸した「ファンページ」ですが、モノクロ4ページだけなので、こういうのが苦手な人はスルーできるかと。

とりおろしカラーグラビア

表紙&ポスター&グラビアが計30カット、32ページ。
松田賢二」写真集としては、文句なしにカッコいいです。
ただ、「偽りの花園」の顕彦役のために髪を切っているのと、ザンキ当時より痩せたのと、顕彦の役作りのためか全体的に若く感じるようになっていることもあって、あんまり「ザンキ」じゃないんですよね…
やはり髪の毛くるくるじゃないとザンキさんっていう感じがしないし。
それと、カッコいいんだけど、全体的に雰囲気がシャープで張り詰めた感じなんですよ。ザンキさんは鋭さと包み込むような優しさを同時に兼ね備えた人だったので、その柔らかい部分が不足しているせいでもうひとつ「ザンキさん」を感じられないのかも。
…ただ、テレビ放映時のザンキより若くみえること、ピリリとした危うい鋭い空気をまとっているところから、私の脳内では「20代半ば、サポーターもつけずにひとりで戦っていた頃のザンキさん」と処理することにしました。私の脳内妄想での若い頃のザンキさんってこういう感じだったので…

「響鬼」本編のスチール写真

名場面集等に使われています。
テレビ放映シーンをそのままではなくて、別撮りのスチール写真なのでしょうか? 写真はすごくクリアできれいです。今までの雑誌やムック等でみかけた写真がほとんどですが、花火の時のひなかちゃんとのツーショットは初めてみたような気がします。

ザンキ&斬鬼設定資料

斬鬼の初期デザイン画が(たぶん)初出。(「魂」で言及されていた落ち武者バージョン)
その他、初期設定については、すべて公式サイト等で既出のものばかりでした。
正直、ほっとしました… よかった、「そんなの聞いてないよ!!」な設定がいきなり出てきて、自分の中の脳内ザンキさんとの大きなズレが生まれなくて…(特にザンキさんの師匠周りについて…)

共演者&スタッフコメント

  • 川口真吾さん(トドロキ役)1ページ(以下、全てモノクロ)
  • 村田充さん(童子役)1ページ
  • 大岩永徳さん(後期・斬鬼スーツアクター) 1/2ページ
  • 宮崎剛監督(アクション監督) 1/2ページ
  • 石田秀範監督 1/2ページ
  • 田村直己監督 1/2ページ
  • 鈴村展弘監督 1ページ
  • 白倉伸一郎プロデューサー 1/2ページ
  • 土田真通プロデューサー 1/2ページ

どの方の話もザンキ・松田さんだけでなく、響鬼という作品に対する愛を感じることができました。おもしろかったです。

松田さんインタビュー

インタビュー自体は6ページですが、内容が非常に濃いです。
また、出演シーンについてのコメントも他のページに細かく色々と。

内容について、全部に言及するのはまずいと思うので、その中から特に印象に残ったものについて…

松田さんは雑誌等のインタビューでは「ザンキはあまり作りこみをせず、なるべくフラットでいようとしていました」ようなことを話していましたが、インタビューや各種コメントみている限りでは相当に色々と意識して「ザンキ」というキャラを作り上げているように見えました。
もっとも、あの「VERSUS」のナイフの作りこみの濃さと比べたら、松田さんにとってはザンキさんくらいでは「作りこんだ」うちに入らないのかもしれないですね…

ザンキの衣装については、(ザンキにはスタイリストがついていなかったこともあって)4割くらいは松田さんの私服だったとか。だからイベントで「撮影の時に使っていた衣装」をプレゼントできたんですね… 納得。
ちなみにザンキさんが襟を立てて着るのも、Vネックばかりだったのも、松田さんのアイデアだったそうです。

ザンキさん散華後、空に向かって「シュッ」とするヒビキさん。松田さんのインタビューでは、あのシーンは「台本にはなくて、細川さんのアイデアじゃないかな」と。ちなみに鈴村監督のインタビューによると、台本があがったあとに監督と細川さんで相談して、「ヒビキはザンキのやろうとしていることを全部分かってた上で、(ザンキのために)あえて知らないふりをしていたんじゃないか」という解釈をして、そして最後のシーンも付け加えたんだとか。
ザンキさんとヒビキさんのシーンについては、もうひとつ「あそこはアドリブだったのか」と嬉しかったシーンがありました。それがどのシーンかについては…実際に本を読んでみてください。

イブキさんとのシーンについては、特に12月の雷師弟話の回でいいシーンがあったのに、尺の都合でカットされのが多いようです。DVDに入れてくれないかなあ… みたかったなあ…

ザンキさん、サポーターなのに車運転してない件」について、松田さんおよび川口さんから言及がありました。やっぱり本人たちもそういう風に考えていたんだなあ、と。

あと、中盤での(サポーターになってしばらくしての)ザンキさんについて、松田さんは「脚本を書く方にとっても、ザンキというポジションって難しいんじゃないかと思い始めてました」とコメントしてました。あのあたりでは響鬼という物語がザンキさんを持て余しているのではないかという印象を私も受けていたのですが、やはり役者さんもそういう感じがしていたんだなあ…と。あと、白倉プロデューサーもザンキさんを物語上でどう扱えばいいか、苦慮していたようですし。

ザンキさん、物語に基本的に絡まない人(ザンキさんの初期設定からすると「清めの音」でザンキさんの物語上の役割は終了しています)なのに、(物語上で)高いポジションに祭り上げられているから下手なことはさせられないし、かといって人気あるから出さないわけにはいかなかったですから。
だから個人的には、本来ザンキさんはトドロキを独立させたあとはさっさと吉野に行って、たまに電話等でドドロキにアドバイスをしたり、ヒビキさんのグチを聞いたりという形で「ゲストキャラ」として出演するのが「響鬼」という物語にとっては、それがベストだったんじゃないかと未だに考えたりするんですよ…