読了本:冨樫義博「HUNTER×HUNTER 22,23」

HUNTER X HUNTER22 (ジャンプコミックス)

HUNTER X HUNTER22 (ジャンプコミックス)

HUNTER X HUNTER23 (ジャンプコミックス)

HUNTER X HUNTER23 (ジャンプコミックス)

結局買っちゃいました… 読んで、24巻のおもしろさが際立ったものだというのが、かえってわかりました。王とコムギの不可思議な関係の深まりと、強すぎる相手との戦い前夜の緊迫感の混じり方が絶妙だからかな。
ここまで盛り上げにふさわしいボス戦というのは難しいでしょうが、さてさてどうなることやら。連載再開第一回はおもしろかったですが、このままの勢いが維持できるのか…というよりも、連載が途切れ途切れでも続くように祈っています。

読了本:よしながふみ「よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり」

よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり

よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり

よしながさんの対談集。
よしながさんの作品を読んでの印象は、「この人は自覚的にマンガを書いているんだなあ」でしたが、対談を読む限りではその印象は間違っていなかったようです。
ものすごくおもしろかった。

特に三浦しをんさんとの2回目の対談での「やおい論」やそれにまつわる話は、「そう!そうなのよっ!」と首をすごい勢いで縦にぶんぶん振りたくなるような気持ちに。
あと、羽海野チカさんとの対談もおもしろかった。お二人の、自作のドラマ化・アニメ化にまつわる気持ちの話が印象的でした。外部からは「お金目当て?」みたいに思われることが多いけど、作者にとって一番嬉しかったのは「別ジャンルのクリエーターが自分の作品をアニメ化・ドラマ化したいと認めてくれたこと」、という話。

「マンガ」について、創作者側からの考えや思い、表現やテーマについて鋭く論じられてるので、「マンガ」について何かを語りたい、知りたい人には必読の本ではないでしょうか。

「快楽の強さは、やおい妄想>>>>(超えられない壁)>>恋愛」という話

さて、よしながさんと三浦しをんさんの対談で一番頷いた箇所が「恋愛より妄想の方がドーパミンが出る」あたりの話でした。

よしなが 萌えの気持ちのドーパミンが恋愛しているときと似ていないかと言われれば、似ていると思う。擬似恋愛、と言われてちょっと首を傾げたくなるのは、現実の恋愛より劣っているものだという感覚でものを言われているからだと思います。逆なんですよね。妄想するドーパミンのほうが、恋をしているよりもはるかに多く出ているはずなの。だから中毒になっちゃう。妄想のほうが快楽としての純度が高いんですよ。(P163)

ああ、わかる、わかる!
やおい妄想で脳がぎゅんぎゅんしているときの気持ちよさはたしかに麻薬的。
恋愛中のほわほわした感じも心地よいし、セックスも気持ちいいけど、萌えたぎっているときのやおい妄想の強烈な快感はまさにケタ違いですから。
特に好きキャラと好きカプが重なった時って、やおいテンプレ話(バレンタインデーやホワイトデーとか二人での温泉旅行とか)や、「100回は似たような話を読んだ」みたいなジャンルありがち話を読むだけでも、胸がぎゅんぎゅんしちゃうんですよね。同士と萌え語りしているときの脳の蕩け方もハンパじゃないし。*1

おもしろい本を読んだ時の頭ぐるぐるするような気持ちよさも、おもしろいコンサートや舞台も麻薬的なんですけど、でも私の場合は、やおい妄想が一番快楽が強いのです。

でもきっとこれは私が「やおい脳」だからなんでしょうけど。
「恋愛中毒」の人にとっては恋愛がそれくらい強い快楽をもたらしているんでしょうか。恋愛中毒の人にちょっと聞いてみたいけど、周りにはいないので。

*1:私の場合は、そこまで萌えたぎったことは、今までの人生で4度しかないですけどね… 5度目もきてくれればいいけどなあ…